HFpEF診断計算ツール(BREATH₂スコア)
サイトへ公開:2025年11月25日 (火)
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ご監修:群馬大学医学部附属病院循環器内科 講師 小保方 優 先生
ーHFpEFは治療できる時代だからこそ診断が重要ー
日本循環器学会のガイドライン(2017年版)においては、HFrEFには推奨される薬物療法が記載されていますが、HFpEFに関しては、うっ血に対する利尿薬や併存症の治療が記載されているのみでした。つまり、診断はできてもエビデンスに基づいた有効な治療ができない、という状況でした。
『2025年改訂版 心不全診療ガイドライン』では、HFpEFに対する心血管イベント抑制を目的としたSGLT2阻害薬の投与が推奨クラスⅠ、エビデンスレベルAに位置づけられ[1]、HFpEFにおいてもついにエビデンスに基づく治療が確立されました。
このように生命予後を改善させうる治療が登場したことによって、HFpEFを的確に診断することがさらに重要になったと言えるでしょう。
HFpEFは高齢者に多く、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病といった生活習慣病がリスクになります。このため、HFpEFは日常診療の中に多く隠れていると考えられます。一方で、うっ血の乏しい労作時息切れを主訴とするような高齢者からHFpEFを診断することは容易ではありません。
本ツールは、日常診療情報からHFpEFの可能性(検査前確率)を評価するツール(BREATH₂スコア[2])です。
心エコー図検査を必要とせず、かつ日本人向けに開発されたスコアリングシステムであり、7つの項目の合計点(0~9点)からHFpEFの検査前確率を予測します。
[1] 日本循環器学会/日本心不全学会. 2025年改訂版 心不全診療ガイドライン.
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/03/JCS2025_Kato.pdf
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(2025年9月5日閲覧)
[2] Saito Y, et al. J Cardiol. 2025; 86(3): 264-71.
本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われた。
BREATH₂スコア
日常診療情報(臨床評価、血液検査、心電図、胸部X線)からHFpEFの可能性を評価します。
該当するものにチェックを入れてください。
BREATH₂スコア結果
HFpEF診断計算ツール(BREATH₂スコア)結果
計算実施日:
ご監修:群馬大学医学部附属病院循環器内科 講師 小保方 優 先生
BREATH₂スコア計算結果
BREATH₂スコアが8~9点であれば約93%、6~7点では約77%、4~5点では約50%の確率でHFpEFであると予測することができ、4点以上を基準に専門医への紹介が推奨されます。
※1 NT-proBNP/BNPは心臓がストレスを感じたときに血液中に分泌されるホルモンの一種
Saito Y, et al. J Cardiol. 2025; 86(3): 264-71.(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)
本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われた。
[1] Saito Y, et al. J Cardiol. 2025; 86(3): 264-71.
本試験はベーリンガーインゲルハイム社/イーライリリー社の支援により行われた。
[2] Ide T, et al. Circ J. 2021; 85(9): 1438-50.
著者にベーリンガーインゲルハイム社より奨学寄附金等を受領している者が含まれる。
[3] 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 がん登録センター. 院内がん登録2014-2015年5年生存率集計.
https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/hosp_c_reg_surv/pdf/hosp_c_reg_surv_all_2014-2015.pdf(閲覧:25-09-12)
[4] Kanaoka K, et al. Circ J. 2019; 83(5) : 1025-31.
作成:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社