『石井晴之, 栗原泰之編. 教科書では学べない胸部画像診断の知恵袋. p72-92. 2020』 4正常肺胞腔内の病変肺胞壁の病変肺胞壁が 分厚くなっている肺胞壁 肺胞胸部CTの撮影スライス厚によってコンソリデーションがすりガラス影にみえることもあるので注意しましょう。10mm厚のCT画像ですりガラス影としてみえても、l~2mm厚程度ではコンソリデーションであることもあります。これはスライス厚が大きいと病変周囲の含気が増えて画像が描出されるので、すりガラス影の診断をするためには2mm厚程度の画像を用います。すりガラス影は、肺野に空気以外の放射線が吸収される部分が増えている状態を表します。肺胞を立方体に例えて説明 すると、①細胞浸潤や線維化などで肺胞壁が肥厚して放射線吸収が増加する場合、または②滲出物や細胞集簇などが 肺胞腔内に生じて放射線吸収が増加する場合、つまり肺胞腔内に含気が残る状態の時にすりガラス影として描出されます。すりガラス影を認める疾患は幅広く、いわゆる間質性肺疾患か、それ以外の疾患か、に大別されます。それ以外の疾患とは両側性か片側性か、びまん性か孤立性か、によってかなり多くの鑑別診断が挙がってきます。そのため、すりガラス影を読影する時は、①区域性の拡がり、②地図状分布の拡がり、③胸膜下領域の変化、④内部 情報、をしっかり評価します。肺胞内に病変がある●コンソリデーションがすりガラス影にみえる?■図 すりガラス影になる病変●すりガラス影の読影ポイント
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