オフェブ関連コンテンツ 間質性肺疾患画像アトラス 画像読影のポイント編
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20DIPとは、組織学的に肺胞腔内に褐色色素を持つマクロファージが浸出し、Ⅱ型肺胞上皮の過形成と肺胞壁への炎症細胞浸潤や好酸球浸潤を伴う組織像を特徴とするIIPsの一型です。外科的肺生検とその後の臨床/画像/病理間の総合診断により確定診断となります。主に喫煙者にみられ、喫煙に関連が深い間質性肺炎とされています。本症例は、20歳~現喫煙(40本/day)の喫煙歴があります。下肺、末梢胸膜寄りに分布する傾向にあり、比較的中枢側に斑状分布をすることもあります。胸膜直下のすりガラス影の内部に、限局した軽度の線維化を示唆する牽引性気管支拡張の所見を認めます6)。さらに、淡い小葉中心性粒状病変が混在しており、病理学的なRB-ILDを反映しています。喫煙によるDIPでは、RB-ILDなど喫煙関連肺疾患を合併し、複数の所見が重複します7)。上記の特徴を認めればDIPパターンに矛盾しませんが、必ずしも喫煙者にみられる特発性DIPだけでなく、膠原病や薬剤性肺障害などの疾患にも認められるパターンで画像診断上、臨床診断の断定に至りません。●本症例の診断ポイント

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