『石井晴之, 栗原泰之編. 教科書では学べない胸部画像診断の知恵袋. p72-92. 2020』 15まずは、胸部X線(正面像)を確認していきます。両側下肺野にはすりガラス影・網状影がみられています。線維化による 肺の収縮を反映し、minor fissureが横隔膜寄りに偏移しています(図6:矢印)。気管支血管束周囲の病変分布を 反映し、下肺の肺血管影が不明瞭になり(図6:丸円)、肺門から扇型に拡がる病変分布を呈します(図6:赤線)。 NSIPでは胸膜直下の病変分布は軽いのでIPFと比較すると横隔膜陰影は比較的明瞭に保たれます。■図6 胸部X線(正面像)胸部HRCTで詳しく読影していきます(図7)。中枢側から末梢に向けて扇型に網状影が拡がっています (図7D:赤線)。症例 2:58歳、男性。乾性咳嗽と体動時呼吸困難で来院。never smoker。最終診断:特発性NSIP。
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