病院薬剤師による吸入デバイス選択で患者さんにメリット
サイトへ公開:2021年11月19日 (金)
近年、薬剤師の役割や在り方が問われている中、吸入指導での薬剤師への期待が一層高まっています。
医師から薬剤師へのタスク・シェアを考える今回は、地域の基幹病院で診療を担当される医師、薬剤科の科長、薬剤師に、それぞれが果たす役割や治療における工夫、コツなどを解説いただきました。
開催年月日:2021年8月27日 開催地:ホテル京都エミナース( 京都府京都市)
(取材時の職位、所属となっております)
Doctor
西村 尚志 先生
京都桂病院
呼吸器センター・呼吸器内科 部長
医師から薬剤師へのタスク・シェアで患者さんに寄り添った吸入指導を実現。
― 最初に、COPDの診療における京都桂病院の地域での役割や診療体制についてお聞かせください。
当院は、地域医療支援病院や地域がん診療連携拠点病院に指定されるなど、西京区とその周辺における地域医療の中心的役割を担っています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性疾患に対する当院の役割は大きく分けて2つ。1つは診断と治療、もう1つは急性増悪時の救急対応です。呼吸器内科では現在、COPDの診療、急性増悪に対して、常勤医が4人体制で日々取り組んでいますが、当院がカバーするエリアでCOPDと診断がついている患者さんはまだ氷山の一角であり、診断がつかずに「埋もれている」患者さんが少なくないのが現状です。
― COPDの治療の中で、先生が重要視している点はどこでしょうか。
吸入薬は、内服薬のように単に「飲めばよい」というものではありません。吸入薬の効果を最大限に発揮するためには、COPDの患者さんが吸入デバイスの使い方を理解して、正しく吸入することが重要です。そのため、COPDの治療においては、最適な吸入デバイスの選択、そしてその吸入デバイスを用いた適切な吸入指導が大きな鍵を握ります。
― 京都桂病院では、2016年からプロトコールに基づく薬物治療管理(PBPM)※をCOPDの診療で導入していますが、医師にはどのようなメリットがありましたか。
限られた外来診療の時間の中で、医師が診療から吸入デバイスの選択、吸入指導までを常にカバーするのは大変難しいと感じていました。そのような中、院内の薬剤師がPBPMによる吸入デバイスの選択と、その後の吸入指導をサポートする、という薬剤科からの提案は、大変ありがたいと思いました。
※日本病院薬剤師会が推奨するプロトコールに基づく薬物治療管理(Protocol Based Pharmacotherapy Management: PBPM) とは、医師・薬剤師等が事前に作成・合意したプロトコールに基づき、薬剤師が 薬学的知識・技能の活用により、医師等と協働して薬物治療を遂行することである。
〔日本病院薬剤師会:プロトコールに基づく薬物治療管理(PBPM)の円滑な進め方と具体的実践事例(Ver.1.0)P1.平成28年3月31日 https://www.jshp.or.jp/cont/16/0331-1.pdf〕
― 医師と薬剤師のタスク・シェアリング(業務の共有)がうまく機能したということですね。
その通りです。医師が行っていた業務を薬剤師がサポートして、業務を効率化できた点は医師にとって大きなメリットです。しかし、それ以上に、薬剤のプロの薬剤師がしっかりと患者さんに寄り添って、患者さんにとって最適な吸入デバイスを選択し、吸入指導を実現できていることが最大のメリットだと思います。吸入デバイスに関しては患者さんとの相性の問題もありますので、薬剤師が患者さんからいろいろな話を聞いて、実際に操作してもらった上で最適な吸入デバイスを提案してくれるのはありがたいです。
医師が忙しい診療で十分な時間を確保できない中、そこをサポートする形で薬剤師が大いに力を発揮してくれています。
Pharmacist
小林 由佳 先生
京都桂病院
薬剤部門 医務部薬剤科 科長
COPDの薬剤管理の視点から地域とのシームレスな連携をサポート。
― 最初に、京都桂病院におけるPBPMの導入の経緯や効果について説明していただけますか。
当院ではこれまで、呼吸器内科などいくつかの診療科でPBPMを導入していますが、最初のケースは、抗凝固薬の用量コントロールで、心臓血管センターの医師と協働で取り組んだものです。その後、血液内科やオンコロジー領域でも導入が進みました。
呼吸器内科では2016年4月から、COPDにおいてPBPMに沿った吸入デバイスの選択を薬剤師が担当しています。薬剤師がデバイスの選択から主体的に参加し、フォローアップまで行えるという点で、薬剤師にとってやりがいがあります。また、タスク・シェアリングやタスク・シフティング(業務の委譲)の観点から医師からの評価も高く、「助かっている」との声をいただいています。
― 次に、院内での吸入指導における薬剤師の役割についてお聞かせください。
われわれの役割は、薬剤の効果を最大限に発揮させるために、吸入デバイスの使い方や吸入の仕方を患者さんにしっかり理解していただくことです。本当に正しい使い方を理解していただいたか確認するために、実際に患者さんに吸入デバイスを操作していただきながら、効果などを薬剤師の視点で見ています。院内での吸入指導は現在、オンコールで対応しています。
初回は薬剤師が時間を取って吸入デバイスの選択から吸入指導を行い、その後は看護師が継続的に確認していく流れですが、それをサポートする目的で薬剤科では看護師向けの指導ツールを作成し、薬剤師と看護師が共同で吸入指導を行っています。
― 薬剤科として重視している取り組みがありましたらご紹介ください。
高齢化が進む中、どの病院でも地域完結型の医療への取り組みが課題となっています。そのような中、当院では、薬剤師が患者さんのケア移行がしっかり行われるよう重点的に取り組んでいます。救急医療から一般病棟、在宅に向けた準備への移行の場面で、薬剤師が薬剤管理という側面から移行をサポートし、電子カルテで服薬歴のサマリーを院内で共有できるシステムを構築しています。また、在宅への移行では、調剤薬局の薬剤師への服薬歴を含めた薬剤情報の引き継ぎを実施し、服薬歴をお薬手帳に記載して、患者さんがかかりつけ薬剤師に提示できるよう取り組んでいます。
― 最後に、地域の調剤薬局との連携について教えてください。
COPD患者さんは、高齢で、また増悪などもあるため、治療のシーンが変わることが多い特徴があります。そのため退院後も、地域の調剤薬局で継続的に適切な吸入指導ができるように当院の塩飽先生など薬剤科のスタッフが、吸入指導の説明書や評価チェック表を作成し、それを調剤薬局で吸入指導する薬剤師に使ってもらっています。医療の質の向上のために、病院と薬局の円滑でシームレスな連携が今後ますます重要になっていくと思います。

Pharmacist
塩飽 英二 先生
京都桂病院
薬剤部門 医務部薬剤科 副主任
薬剤師がPBPMの導入による吸入デバイス選択に主体的に参加。
― 最初に、PBPMの導入の経緯についてお聞かせいただけますか。
最初の狙いは業務の効率化でした。医師が処方した吸入薬の適切な使い方を患者さんに指導するのが薬剤師の役割ですが、最近はCOPDと診断される患者さんが増え、吸入指導の機会も増加しました。一方、COPDの患者さんは高齢の方が多く、認知機能の低下や吸入デバイスの操作ミスなどがハードルとなって、1回の吸入指導で正しく理解し、上手に吸入できることはまずありません。1回の吸入指導に十分な時間を確保することが難しくなる中、患者さんに合った吸入デバイスの選択から薬剤師が責任を持って関与し、その使い方を指導するほうが、業務の効率化につながり、吸入指導もスムーズになると考えたのがきっかけです。
― 実際にPBPMの導入によって、どのような効果やメリットがありましたか。
最初は、薬剤師の関与でどのような効果が現れるのか自分でも分からず、手探りの状態で始めて、その後、臨床試験を計画しデータを収集しました(図)。その結果 、PBPMを実施することで、COPDの状態が健康と日常生活に与える影響を測定する「COPDアセスメントテスト」(CAT)や、呼吸困難感を数値化して評価する「修正MRC息切れスケール」(mMRC)などのスコアが有意に改善することが分かりました※。最も重要な点は、肺機能の改善(トラフ1秒量)というハードアウトカムに有意な改善が見られたことです※。
また、これまで「デバイスの選択は医師、その後のフォローは薬剤師」という流れだったのですが、薬剤師が患者さんのデバイス選択に主体的に参加することで、薬剤師にも「自分が選んだ吸入デバイスだから」という意識が高まり、これまで以上に責任感を感じるようになりました。その結果、吸入指導においても、薬剤師が患者さんの些細な変化を見逃さないようになりました。薬剤師と患者さんの双方にとって良い影響があったと思います。
※Eiji Shiwaku et al. J Pharm Health Care Sci. 2021; 7(1): 28.
― 吸入デバイスの選択基準やポイントを教えていただけますか。
吸入デバイス選択のプロトコールの作成においては、いずれかの吸入デバイスに必ず当てはまるように細分化するのではなく、大まかな吸入デバイスの選択にとどまるような、あえて“曖昧な”プロトコールとしています。細分化は可能ですが、細分化しすぎると逆にプロトコールに縛られてしまうためです。薬剤師が、吸入デバイスを選択する際、「吸入デバイスを持てるか」、「吸うことができるか」など、いろいろな観点から患者さんに質問しながら、最も適切な吸入デバイスを検討していくのですが、最終的に選択の決め手となるポイントは、患者さん1人ひとりで異なります。患者さんの要望をよく聞き、総合的に選択できるようにしています。
― 薬剤の効果を高める上での工夫やコツがありましたらご紹介ください。
患者さんの声や意見をよく聞き、それに対して丁寧な説明を行い、納得していただくことが重要です。そのため、患者さんが理解しやすいようにコミュニケーション上の工夫をしています。例えば、患者さんからの質問で多い「なぜ吸入しなければならないのか」に対しては、ターゲットをしっかり見据えて、どこを目指して吸入しなければならないのか、ということを説明するようにしています。具体的には、「肺の中の患部に薬剤を届けることを意識して吸入することが大切です」というように、患者さんにわかりやすく説明することを心がけています。患者さんは自分が病気で、薬物治療を始めなければならないことは理解しています。しかし、吸入薬は内服薬や貼付薬と違い、一般的に馴染みがあるものとはいえません。吸入デバイスから口の中に薬剤が放出されたら自動的に効果が出ると思っている患者さんもいますから、わかりやすく伝える工夫はとても大切です。
― PBPMの導入による吸入デバイス選択は、他の医療機関でも実践されているのでしょうか。
薬剤師が吸入デバイスの選択にまで関わっているケースは、まだほとんどないと思います。ただ、これまでに何度か当院の取り組みを紹介する機会がありましたし、これまでの取り組みを論文として2021年8月に発表した後、参考にして取り組んでみたいという反響もいただきましたので、今後、広がっていく可能性はあります。

― 最後に、吸入デバイス選択に対する薬剤師としての姿勢や思いを教えてください。
吸入デバイス選択の際には、薬の効果や実際に患者さんがデバイスを使えるかどうかを確認するための吸入指導も含めて、1人あたり30分くらい時間をかけて面談をして、吸入デバイスを決定しています。それだけの時間をかけて面談している薬剤師がどういう思いでやっているのかという部分が重要で、そこに薬剤師がかけた時間と思いが、大きな違いを生むと考えています。薬剤師の人間的な部分も含めて、患者さんに寄り添った選択をできるように心がけています。

Eiji Shiwaku et al. J Pharm Health Care Sci. 2021; 7(1): 28.より改変

西村 尚志 先生 × 小林 由佳 先生 × 塩飽 英二 先生
COPDにおけるPBPM導入の成功の背景に医師と薬剤師の十分な連携。
― PBPMの導入による薬剤師の吸入デバイス選択の成果が論文化されましたが、改めて導入の効果をどう見ていらっしゃいますか。
西村先生:PBPMの導入後、吸入デバイスを正しく使うことができていない患者さんから、「まだ吸入デバイスがうまく操作できません」というフィードバックがくるようになりました。それまでは本当に正しく使えているのかなかなか確認できていなかったのですが、患者さんが「使えない」と自分で判断し、吸入を止めているケースも多かったと思います。ですから、そのようなフィードバックが患者さんからくるということは、結局、患者さんにとってプラスの影響があったのだと推測しています。
塩飽先生:適切な吸入デバイスの選択はプロトコールだけで実現できるものではありません。逆に、すべてプロトコールに準じて行っていたら、おそらくうまくいかなかったと思います。患者さんの好みは人それぞれですので、要望を聞くことが重要です。その観点から考えると、われわれの取り組みにはプロトコールに加え、Shared Decision Making(SDM)という要素が含まれているといえます。実際、今回の取り組みを通じて、患者さんの吸入デバイスに対する理解が高まり、その中で患者さんは「使いやすい吸入デバイスを自分で選んだ」という感覚が持てたと思います。吸入デバイス選択後の患者さんとの面談でも、満足しているという患者さんの声を聞いていますので、使いやすさという点では効果があったといえます。吸入デバイスは生涯使い続けていくものなので、患者さんご自身で選ぶことが重要ですし、何よりも自分で選ぶことで、使い方の理解がより高まります。「自分が選んだ吸入デバイスだから使う」という考えの人もいますので、意思決定の共有は患者さんの大きなメリットにつながっているといえます。
小林先生:PBPMの導入は、薬剤師が専門性を発揮することで、適切な薬剤を患者さんにより早く、より安全に届けられるという点で、患者さんのメリットにつながります。また、PBPMの導入は、COPDを診療する呼吸器内科でも好評ですし、薬剤師にとっても良いモチベーションとなっており、良い効果が生まれています。
― PBPM導入の成功の背景には、医師と薬剤師の十分な連携があったと思いますが、連携のポイントやメリットをお聞かせいただけますか。
西村先生:PBPMの導入がうまく機能している要因として、院内での医師と薬剤師の間の十分なコミュニケーションがあります。一般的に薬剤師は医師に提案するのを躊躇する傾向もありますが、当院では、薬剤師が遠慮せずに医師と話せる雰囲気や空気感があると思います。もともとそのような環境があったので、PBPMの導入が成功したと考えています。

塩飽先生:当院では、西村先生をはじめ呼吸器内科の先生は皆、フレンドリーで、話しやすく雑談なども気軽にできる関係ができています。西村先生が話されたように、こちらから声をかけにくい先生方だったら、PBPMのような提案もできなかったと思いますので、そのような環境や先生方にとても感謝しています。
小林先生:当院では、薬剤師が病棟に常駐していますので、医師のすぐ横で薬剤師も患者さんをケアできる体制になっています。医師と薬剤師が常にコミュニケーションできる環境であることが、連携の重要なポイントだと思います。
― 次に、New normal 時代の吸入指導について、現在の取り組みや今後の課題を教えてください。
小林先生:最近は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、対面による細部までいきとどいた吸入指導はなかなかできていません。そのため、患者さんには、吸入方法を解説した動画を見ていただきながら、吸入デバイスの使い方を習得してもらっています。調剤薬局でも同じような状況だと思います。

塩飽先生:感染リスクを考えると、オンラインでの吸入指導やフォローアップも有用だと思いますが、初回の指導はやはり対面で行い、実際に吸入デバイスに触れながら指導することが重要です。初回以降のフォローアップでは、動画を活用するのも選択肢だと思いますが、動画では実際の吸入デバイスの立体感が伝わりません。ある程度、使い方に慣れ、定着してくるまでは、対面でのフォローアップが欠かせません。現在、吸入デバイスの誤った使い方や患者さんが陥りやすい落とし穴などを集めた動画を作成しているので、完成後は、吸入指導の説明書と一緒に患者さんにお渡しして、吸入方法を学ぶ際のツールとして役立ててもらえればと考えています。

西村先生:塩飽先生からお話がありましたように、実際に対面で吸入デバイスを吸入するのが一番良いのですが、感染リスクがあるため、なかなかできないのが現状です。吸入指導だけでなく、COPD診断に重要な肺機能検査も実施が難しくなっています。吸入指導の解説動画も高齢者にはハードルが高いようです。動画の内容を理解できる方ならよいのですが、高齢者の場合、手取り足取り丁寧な指導が必要です。解説動画は便利ですが、実用的でない側面もあり、悩ましいところです。
小林先生:解説動画を見てもらうだけでは、患者さんが実際に吸入デバイスの使い方を理解しているのか、また、うまく吸入できているのか、などを把握することが難しいので、薬剤師による確認と継続的なフォローアップは欠かせません。
― どのような場面で仕事のやりがいを感じられますか。患者さんの声や回復など具体的な事例があればご紹介いただけますでしょうか。
西村先生:患者さんの症状が良くなり、回復することが最も重要で、それで患者さんが喜んでくださることがわれわれ医師にとってのやりがいです。患者さんご本人から「良くなった」と言っていただけるのが、やはり一番うれしいです。
塩飽先生:私は、患者さんが自分の名前を覚えてくれたのがうれしかったです。病棟で診ていた患者さんの中に副作用で困っている方がいたのですが、症状が改善し、その後、外来ですれ違った際に「塩飽先生」と声をかけてくれました。薬剤師が医療の現場に入っていって、医療人として治療に参加できたという実感を得られる瞬間で、そのようなときにやりがいを感じます。
小林先生:薬剤師としては、薬剤の効果が十分に得られて、患者さんに喜んでいただいたときに、やりがいを感じます。患者さんから「ありがとう」「良かった」と声をかけてもらったり、また、塩飽先生と同じく、院内で自分の名前を呼んでもらえると、とてもうれしいです。
― 最後に、COPD治療における今後の展望、目標や挑戦などをそれぞれお聞かせください。
西村先生:COPD治療の核はやはり吸入薬で、新しい薬剤も登場しています。その中から患者さんに合った適切な吸入薬を選択し、患者さんに最適に使っていただき、効果を最大限に引き出すことが重要で、常にそこに目標を置いて、臨床に臨んでいます。
今後の取り組みとしては、禁煙サポートにチャレンジしていきたいです。COPDの大きな問題は喫煙ですが、日常診療の中でなかなか患者さんに禁煙していただけないのが現実です。この状況を変えて、COPD患者さんを何とか禁煙までもっていければと思っています。
小林先生:当院では薬剤師がオンコールでの吸入指導を行っていますが、時間もマンパワーもかかります。実際、病棟で通常の業務を行っている最中にオンコールで呼ばれるわけですから、2つの作業を兼務しながらやりくりしている状況です。調剤薬局での吸入指導は吸入薬指導加算として算定されるようになりましたが、病院での加算はありません。オンコロジー領域ではがん患者指導管理料をして評価される制度もありますので、今後、吸入指導に対する評価も制度化されるとよいと思います。これからも、患者さんに吸入薬を正しく確実に使っていただけるよう、積極的に吸入指導に携わっていきたいと思います。
塩飽先生:今年、COPDにおけるPBPMの導入に関する論文を発表しましたが、薬剤師による吸入デバイスの選択が患者さんの症状の改善につながることを証明することができ、本当にうれしく思います。
現在、地域の薬剤師の先生方に向けて、吸入デバイスの選択のポイントなどを講演する勉強会を定期的に開催しています。われわれのこの取り組みを当院だけでなく、今後、西京区、京都府、全国へと広げていき、最終的には全国の薬剤師が吸入デバイスの選択に携われる環境ができれば理想的だと考えています。