IPF捻髪音に要注意
サイトへ公開:2021年05月31日 (月)
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日常診療で背中の呼吸音を聴診したとき、パチパチ・バリバリという音を聴いた経験はありませんか。このような音は特発性肺線維症(IPF)による捻髪音である可能性があります。
パチパチ・バリバリという捻髪音は専門医へ
日常診療で背中の呼吸音を聴診したとき パチパチ・バリバリという音(捻髪音)を聴いた経験はありませんか。このような音が聴こえる患者さんは特発性肺線線維症(IPF)かもしれません。
IPFは特発性間質性肺炎の中でも特に予後不良な疾患であるため、専門医による早期の診断が重要です。捻髪音を聴診されましたら呼吸器専門医へご紹介ください。
聴診音の違いを聞く
IPF患者の80%以上に肺底部の捻髪音(fine crackles)*と呼ばれる特徴的な音が聴取されます1)。
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| IPF 1 IPF 2 | COPD 1 COPD 2 | 健常例 1 健常例 2 |
*:「パチパチ」「バリバリ」という特徴的な音である捻髪音は、マジックテープをはがす音に似ていることから、マジックテープのメーカー(ベルクロ社)にちなみ、「ベルクロラ音」とも呼ばれます。
文献
1) American Thoracic Society. Am J Respir Crit Care Med 2000; 161: 646-664.
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間質性肺疾患・肺線維症は、原因が多岐にわたる難治性の疾患です。また、診断や治療に関する研究が日々進歩している疾患でもあります。このページでは、疾患や診療に関するさまざまな最新情報をまとめています。日々の診療にお役立てください。


