ジャスケイド®錠の作用機序(静止画)
サイトへ公開:2026年07月23日 (木)
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ご監修:熊ノ郷 淳 先生(大阪大学 総長)
ジャスケイド®錠は、特発性肺線維症(IPF)及び進行性肺線維症(PPF)に適応を有するホスホジエステラーゼ(PDE)4Bに対する選択性の高い阻害剤です。本剤は、抗線維化作用及び免疫調整作用を有します。
本コンテンツでは、大阪大学 総長 熊ノ郷 淳 先生ご監修のもと、肺線維症の病態形成におけるPDE4Bの役割や、本剤の作用メカニズムを解説します。
ジャスケイドはPDE4Bに対する選択性の高い阻害剤
ジャスケイド(一般名:ネランドミラスト)は、PDE4Bに対する選択性の高い阻害剤で、抗線維化作用及び免疫調整作用を有します。
図1

PDE4Bは肺や免疫細胞で高発現し、線維化や炎症に関わっている
PDE4ファミリーにはA~Dの4つのサブタイプがあり、さまざまな臓器系に分布しています。PDE4Bは特に肺と免疫系、PDE4Dは消化器系で高レベルに発現していることが報告されています1)。
ジャスケイドは胃腸障害に関連する副作用の原因と考えられるPDE4Dへの親和性を軽減するために開発され、PDE4Bに対してPDE4Dと比べて9.1倍の阻害活性を有することが確認されています1,2)。
●PDE4(ホスホジエステラーゼ4)
図2

肺においてPDE4BはcAMPを加水分解し、免疫反応や線維化を促進する
肺線維症の病態下では、PDE4Bの作用により、線維芽細胞や免疫細胞の細胞内cAMP濃度が低下します。
図3

cAMP濃度の低下は、線維化促進性メディエーターの産生を誘導し、線維芽細胞の増殖・形質転換や細胞外マトリクスの沈着が促進されます。
また、cAMP濃度が低下すると、プロテインキナーゼA及びEPAC1/2(cAMP直接活性化交換タンパク質)の活性が抑制されます。その結果、炎症性サイトカインの増加や抗炎症性サイトカインの減少が生じ、免疫細胞の浸潤・活性化が促進されます。
このように、肺線維症では、「線維化」と「炎症」が相互に関わりながら、病態が進行していきます。
図4

ジャスケイドはPDE4Bの働きを阻害することでcAMPを増加させ「抗線維化作用」及び「免疫調整作用」をもたらす
ジャスケイドは、細胞内でPDE4Bの働きを阻害し、細胞内cAMP濃度を増加させます。
図5

cAMP濃度が増加すると、プロテインキナーゼA及びEPAC1/2の活性が促進されます。その結果、線維化促進性メディエーターの発現が低下し、線維芽細胞の増殖・形質転換や細胞外マトリクスの沈着が抑制されます。また、cAMP濃度の増加により、炎症性サイトカインの産生が低下し、免疫細胞の浸潤・活性化が抑制されます。
in vitroでの検討においては、ジャスケイドにより微小血管の透過性亢進が低下することなども報告されています(参考情報)5)。
図6

ジャスケイドは、肺線維症の病態形成に重要な「線維化」と「炎症」に対し、「抗線維化作用」及び「免疫調整作用」によりアプローチすることで、治療効果が発揮されると考えられます。
ジャスケイドは、FIBRONEER™-IPF試験及びFIBRONEER™-ILD試験において、IPF及びPPFに対する有効性が検証され、肺線維症治療の新たな選択肢となることが期待されます。
効能又は効果:特発性肺線維症
進行性肺線維症
ジャスケイドがもたらす作用
図7

参考文献
- Kolb M. et al.: Eur Respir Rev 2023; 32(167): 220206. より作成 著者にベーリンガーインゲルハイム社より研究費等を受領している者が含まれます。
- Herrmann FE. et al.: Front Pharmacol 2022; 13: 838449. より作成 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。
- Herrmann FE. et al.: Front Pharmacol 2022; 13: 838449. 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。
- Kolb M. et al.: Eur Respir Rev 2023; 32: 220206. 著者にベーリンガーインゲルハイム社より研究費等を受領している者が含まれます。
- Reininger D. et al.: Am J Respir Cell Mol Biol 2025; 73(5): 700-712. 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により行われました。
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