LUX-Lung 7試験(国際共同Ⅱb相試験)
サイトへ公開:2020年10月31日 (土)
国際共同第Ⅱb相試験LUX-Lung 7試験は、治療歴のないEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象に第二世代EGFR阻害薬のアファチニブと第一世代EGFR阻害薬のゲフィニチブを直接比較した初めての海外試験です。
LUX-Lung 7試験の試験概要と結果について紹介いたします。
1.LUX-Lung 7試験の試験デザイン
LUX-Lung 7試験では、発現頻度が高いEGFR遺伝子変異(エクソン19欠失[del19]またはL858R)を有する進行NSCLC患者319例を対象としました。主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、治療成功期間(TTF)、全生存期間(OS)でした。

Park K. et al.:Lancet Oncol 17(5), 577, 2016 本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された
2.LUX-Lung 7試験における無増悪生存期間(PFS)
アファチニブ群においてPFS中央値は11.0ヵ月でした。
【主要評価項目】PFS(独立判定委員会判定)

Paz-Ares L. et al.:Ann Oncol 28(2), 270, 2017
本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された
主要評価項目のサブグループ解析では、Del 19とL858RにおけるPFS延長は同程度でした。
【主要評価項目のサブグループ解析】患者背景別PFS

Park K. et al.:Lancet Oncol 17(5), 577, 2016
本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された
3.LUX-Lung 7試験における治療成功期間(TTF)
アファチニブ群においてTTF中央値は13.7ヵ月でした。
【主要評価項目】TTF

Paz-Ares L. et al.:Ann Oncol 28(2), 270, 2017
本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された
4.LUX-Lung 7試験における全生存期間(OS)
主要評価項目であるOS中央値は、アファチニブ群27.9ヵ月、ゲフィチニブ群24.5ヵ月でした(ハザード比0.86)。
【主要評価項目】OS

Paz-Ares L. et al.:Ann Oncol 28(2), 270, 2017
本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された
5.LUX-Lung 7試験における奏効率
奏効率はアファチニブ群72.5%、ゲフィチニブ群56.0%と、アファチニブ群において高値でした。
【副次評価項目】奏効率(独立判定委員会判定)

Paz-Ares L. et al.:Ann Oncol 28(2), 270, 2017
本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された
6.LUX-Lung 7試験における最大腫瘍縮小率
L858R症例の奏効率はアファチニブ群65.7%(44/67例)、ゲフィチニブ群42.4%(28/66例)でした。
【サブグループ解析】L858R症例における最大腫瘍縮小率(独立判定委員会判定)

Park K. et al.:Lancet Oncol 17(5), 577, 2016
本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された
Del 19症例の奏効率はアファチニブ群73.1%(68/93例)、ゲフィチニブ群65.6%(61/93例)でした。
【サブグループ解析】Del 19症例における最大腫瘍縮小率(独立判定委員会判定)

Park K. et al.:Lancet Oncol 17(5), 577, 2016
本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された
7.LUX-Lung 7試験の安全性
有害事象はアファチニブ群の160例中158例(99%)、ゲフィチニブ群の159例中159例(100%)、Grade 3以上の有害事象はそれぞれ91例(57%)、83例(52%)に認められました。
Grade 3以上の主な副作用は、アファチニブ群で下痢20例(13%)、発疹/ざ瘡15例(9%)、疲労9例(6%)、ゲフィチニブ群でALT/AST増加14例(9%)、発疹/ざ瘡5例(3%)でした。重篤な副作用はアファチニブ群の17例(11%)、ゲフィチニブ群の7例(4%)で確認され、主な副作用はアファチニブ群で下痢10例(6%)、ゲフィチニブ群で間質性肺炎4例(3%)でした。
投与中止に至った副作用はアファチニブ群の10例(6%)、ゲフィチニブ群の10例(6%)に認められ、主な副作用はアファチニブ群で下痢5例(3%)、ゲフィチニブ群でALT/AST増加5例(3%)、間質性肺炎4例(3%)でした。
死亡はアファチニブ群で15例(9%)、ゲフィチニブ群で10例(6%)確認され、内訳はアファチニブ群で悪性新生物進行が4例、肺炎、髄膜転移、虚血性脳卒中、急性呼吸不全、間質性肺炎または呼吸困難、誤嚥性肺炎、呼吸不全、肝出血、多臓器不全、外傷、不明が各1例、ゲフィチニブ群で髄膜転移が2例、肺感染、悪性新生物進行、脳出血、誤嚥性肺炎、呼吸不全、腎または肝不全、多臓器不全、全身健康状態低下が各1例でした。
Park K. et al.:Lancet Oncol 17(5), 577, 2016
本研究はベーリンガーインゲルハイム社の支援により実施された